山田覚書

SDA王滝クロスマウンテンバイク42km(2017)を完走できなかったからって悔しくなんかないんだからね

Posted on Fri 26 May 2017 ( 2020-09-17 update ) in bike

2017年5月。SDA(セルフディスカバリーアドベンチャー)王滝というマウンテンバイクのイベントに参加してみました。このイベントはマウンテンバイクのイベントとしてはメジャーなもので、例年5月と9月に長野県の王滝村で行われています。

5月のSDA王滝は5王とも呼ばれていて、100km・42km・20kmの距離に別れて競われます。今回出場したのは42km。まるで予備知識もなく、とりあえず参加してみようということで挑戦してみました。

近づくSDA王滝。

ぜんぜん練習なんてしていない。結構やばい。

とりあえず身体への負担を減らすためにも携行品はなるべく自転車本体に取り付けたい。だからフレームバッグ類をあれこれテスト。実際に走ってみて、邪魔にならないかを確認。また、自転車駆動部の状況を確認するためにポタリング。

SDA王滝にむけての装備

バッグは3点。行動食を入れるドイターのエナジーバッグとトピークのフレームバッグ&サドルバッグ。ボトルはフレームに1本とハンドルに1本つけてみました。ハンドルのボトルはガタつくことはないので大丈夫だろうと判断。

しかし、不安は簡単には拭えない……。

試走は、鶴見川を新横浜まで走り、六角橋、東神奈川と抜けて、みなとみらい地区へ。前日のトライアスロンの余韻はまったくありませんでした。そのまま山下公園方面から本牧のコンテナヤード方面まで走り戻ります。

みなとみらいの臨港パークを散策してみたももの風が強い。第一京浜経由して鶴見川ルートで帰宅です。

大会前日まで

体調はそんなに悪くないと感じていました。右手が慢性的に腱鞘炎を起こしているので前腕だけでなく上腕や頸肩部までが凝り固まっていることが不安材料。なるべく腕の酷使は避けていたので炎症は沈静化できていたと思います。

他方で頸まわりにしこりを感じていました。胸鎖乳突筋や二腹筋がカチコチになっていて、まるで乾電池か何かが顎の下に入っているような固さ。自律神経が乱れているのか、リンパ節に菌が入ってきていて炎症を起こしているのか。なるべく体力回復に努めて大会に備えました。

王滝村まで移動

王滝村には行ったことがありませんので、Google Mapでざっくりとした所要時間を確認。4時間くらい?近い近いと考えてたんですが、なにぶん夜間に検索していたもので、渋滞を全く考慮していませんでした。

朝8時くらいに起床し身支度。クルマにマウンテンバイク、ウェア、工具など必要なものを積み込んでいきます。あれこれ準備が終わって出発する頃には11時くらい。だいぶ出遅れ感が出てきています。夕方までに到着すればいいだろうと考えていたので、まずは食事。朝ごはんと昼ごはんをかねて久しぶりの横濱家のラーメン。完全に景気付けです。

横濱家のラーメン

さて、お腹も満たしたので、中央高速を目指します。

だがしかし!事故渋滞および通行止め。ひどい有様になっています。横浜青葉インターで東名に乗り、圏央道経由で中央道と考えていたのですが、計画はもろくも瓦解します。横濱青葉ICから東名に入ったにもかかわらずとなりの横浜町田ICで降りて、16号で八王子方面に。これはまいりました。はたして予定時間までに着くんでしょうかと呻きながら16号バイパスをノロノロと走ります。

途中、渋滞が解消されたようなので、圏央道の相模原相川ICから圏央道・中央道ルートにて伊那ICまでクルマを進めます。並走するクルマをみても自転車を積んでいるクルマが少ない。やっぱり出遅れているようです。焦っても仕方がありません……。

伊那ICからは主に19号を利用して王滝村まで。ざっと1時間ほど一般道を運転すると到着します。到着したのは17時。ざっと6時間はかかっている模様。遠いなあ。

王滝村到着から受付、準備

受付は松原地区にある松原スポーツ公園。駐車スペースは十分ですが、到着した頃には受付最寄りのスペースがいっぱいになっており、少し離れたところに駐車。特に区切られているわけではないのでクルマ1台分ほどの間隔をあけて駐められます。だから自転車整備スペースについては心配なし。多少はお店広げられました。

到着してすぐに自転車を組み立てし、公園内にある大会受付へと向かいます。郵送されてきた封筒と事前に配布されたアンケートを持参します。うん、すんなり受付終わります。スポンサー企業のカタログと記念Tシャツ、マップ、それにゼッケンを受け取ります。検車があるわけではないので徒歩でもオッケーでしたね。

出展各社のブース

出展各社のブースをぶらぶらーっと眺めてまわります。うーむ、わからん。

ご飯もたべたいなー。無料でなんて……ないね。

なんてうちに事前説明会がスタート。スポンサー各社のPRタイムのあとに20km、42km、100kmの各コース説明がありました。ふむふむ。聞いてもさっぱり覚えられません。あとでマップで確認ですね。クルマに戻ることにします。

王滝コース説明

クルマに戻ったら、食事の支度です。が、会場内で販売しているパスタで済ませることにしました。Bucyo Coffeさんのアーリオオーリオのパスタ2.5玉。平麺のパスタでボリュームはあります。2玉くらいにして他のもの食べればよかったかも。

で、食事が終わったら、装備品をセットアップして就寝準備。なにしろ、あっという間に真っ暗闇になります。街灯なんてありませんので作業継続が困難です。朝の身支度をしやすいようにクルマの中に配置するだけで日が暮れました。どうしてもって言う方はランタン必須です。エンジンかけて電気確保は少々難しいです。早寝する方もいるので、エンジンかけっぱなしや煌々とあかりを照らすのは憚られるので注意です。

21時には布団に入りましたが、結局寝付いたのは23時近かったような。お星様きれーとか言っている余裕はまったくありませんでした。

42kmスタート地点まで移動

起床は4時。目覚ましは4時30分にしてたんですが、まわりが起きてくる時間なので4時には起こされちゃいますね。起床したらトイレ。前日のうちに大きい方は済ませておいたので、小用と洗顔をしに受付の方のトイレに移動。おかげで大きい方のトイレ渋滞は回避しました。

クルマに戻って自転車の最終確認。空気圧や行動食など装備一式をチェックです。

スタート地点まで自走する必要がありますので、いったん空気圧は2BAR近くまであげておきました。これで舗装路が走りやすくなるはず。サドルバッグやフレームバッグ、ライトなどを取り付けて、固定具合を確認。大丈夫。最後にゼッケンをタイラップでハンドルに取り付けてマウンテンバイクの準備完了です。

サイクルジャージ、ビブショーツ、ビンディングシューズと着替えをすませたところで時計は5時30分近く。ちょっと出遅れ気味ですね。移動を始めている人もおおくいらっしゃいました。

慌てて、前日コンビニで購入した細長いスナックパンを3本ほどパクパクし、ウォーターボトルに水を入れたらスタート地点である滝越地区に向かって自転車を走らせます。朝ごはん食べてる余裕を持つなら、もう少し早起きしないとダメですね。

滝越までのみちのり

42kmのスタートである滝越地区は、松原スポーツ公園からざっと11km。基本「のぼり」です。ゆるいけど1時間弱の「のぼり」です。

つまり、朝ごはんが軽めだったりしますと、スタートに辿り着くまでにエネルギーを使い切ります。6時30分くらいに到着しましたが、早くも補給が必要な気分。すでにたくさんの自転車がスタート地点に到着していますので、まわりを見習って自転車を並べます。

スタート前に自転車ならべ

移動に使ってしまったエネルギーをカロリーメイト2パックを食べて補います。そして、水が欲しい。ボトル1本分しか水がないので、もう1本分の補給をと現地をフラフラするも水を補給できる場所が発見できない。あと30分でスタートだというのに水が足りない。ちょっとやばいかも。とりあえず落ち着くためにトイレに行っておこう。でも行列。スタート1分前にトイレの順番まわってきました。完全にカツカツです。

王滝42kmスタート

自転車を並べたのは全体の中ほどくらいでしょうか。のんびり走る気満々だったのでもっと後ろでもよかったんですけどね。ぱぁーんとホーンの合図とともに競技スタート。予定通りの7時でした。ほんと緊張とかしてる暇がありません。もう流されるままにスタート。

ぐるぐるっと滝越地区の平坦舗装路をパレードランしてから本格的にスタートします。あーなんかイベントに参加できてしあわせーって感じで走ります。キョロキョロしてるとフルリジッドの人なんてちっともいない。たまに見つけるんですけど同じくらいかそれ以上にのんびり走っていたので、なかなかご一緒するってわけにはいかないですね。きっと早い人はとっとと前にいってます。

まわりはまわり。じぶんはじぶん。

しばらくは舗装路ですので、クランクをくるくる回していきます。朝の気温9度でしたのでウインドブレイカーを着ていましたが、ちょっと暑くなってきました。というか気づけば汗だくですよ。これはいけないと途中停車して脱ぎます。良いペースで走っていたと思いましたが、いきなりの停車。ちょっと想定外。もう少しバラけてからくらいで脱ぐもんだと思ってました。これならスタート前に脱ぐべきですね。

再スタートすると、噂の真っ暗トンネルが。

まだまだ選手が道に溢れている状況なので、二列縦隊で進行していきます。これだけ人がいて、ライトを点灯していれば、トンネル内が暗いってことはありません。でも、落車しちゃう人はいますね。なにせ50センチ程度の幅の二本橋みたいな道ですので、ちょっとでもハンドルを切れば舗装面から外れて即停車。おっとっとで落車しちゃいます。急なストップに備えて車間距離大事です。落ち着いていればまったく問題なくクリアできるはず。

トンネルを抜けて、さらに走ると大会スタッフが見えてきます。「ここから不整地でーす」の声がけとともに本格的な登りがスタート。

不整地登り

軽いギアでえっちらおっちらとクランクを回します……。

ちょっと苦しい。サイコンを眺めると心拍があっという間に160付近に到達しています。あれ?ずいぶん上がってる。なんで?なんで?なんで?仕方ないので降車して押してみます。でも全然心拍下がらない。

登れない

ガレってほどはガレてない

必死にクランクをまわします。いやすぐに回せなくなります。だから自転車を押します。おかしい。おかしい。何かがおかしい。

いったいどうしたというのでしょう。まったく身体が動きませんが、気力で登ります。いったい何人に抜かれていくのでしょう。ほぼ最後尾なんじゃないかってところまで下がっていきます。だって、まだひとつめの登りですからね。まったく解決策が見いだせないまま坂を登りました。

そして、1時間ほどかけて登るとやっと下り。

下りくらいならなんとかなる。涼しーって感じで下ります。しかし、下り始めて気がつきました。タイヤの空気圧高すぎじゃない?ガレガレというよりジャリジャリとした斜面でフロントもリアもグリップせず、滑りながら走ってます。これはいけない。振動が半端ない!でも、あたまが働いてないんですね。ボケーっと下り続けてました。

だんだん腕の力がなくなってきます。そういえば、腱鞘炎と頭によぎる頃には三角筋が痛み出して、腕サスが効かなくなり、腕サスが効かなければ前腕の筋肉も疲労。握力がどんどん失われていきます。さすがに危ないと思ってブレーキをかけて停車しようと思ったところで窪みが……。

右腕がスポーッとハンドルから離れてそのままハンドルが半回転。左側に落車してました。ちょうどブレーキをかけていたタイミングなのでコテンに近いとはいえ、左前腕と左膝脇を擦りむいてました。いやー、後ろに人がいて迷惑かけなくてよかった。まわりに誰もいなくてよかった!

自転車はほぼ無傷みたいなので、もう少し広いところまで頑張って斜面を下りまして、再度停車。前後のタイヤの空気圧を下げます。1BAR付近まではさげたんじゃないでしょうか。これで自転車の安定感がアップです。スタート地点までの移動を見越してタイヤの空気圧を上げておいたのをすっかり忘れてました。

やっぱりひとり参加だとこうした失敗に気づくきっかけがなかなかないものですね。仲間大事。

あらためて自転車の状況を確認すると、ハンドル左側のグリップのキャップがなくなってます。それにハンドルに取り付けておいたウォーターボトルが痛んでます。潰されてひしゃげた跡がありますので、転倒時にクッションの役目を果たしてくれたようです。ありがとうボトル!

ふたたび登れども

ひとつめの下りを終えると再びスタート地点に戻ってきます。給水所が設けられていましたので、ここでやっと水を補給。10人近くはこのポイントにたむろしてました。すでに心の折れている人がちらほら。

給水を終えて、再度登りスタート。水分補給したら少し元気でました。ふたたび舗装路を登ります。

しかし、身体が動かない。クランクを回せない。心拍はずっと140から150付近です。補給した水をドバドバ頭からかぶりながら進みます。おそらく気温30度。朝からですと20度くらい気温が上がってます。暑いの苦手です。これって熱中症なんじゃと頭によぎります。行動食は30分おきくらいにとってます。最低限のエネルギーは補給しているものの、おそらく足りていない。常にガス欠寸前。加えて体温上昇が起きているものとだんだん理解してきました。

この日はサイクリングジャージの下に長袖のインナーを着ていました。日焼け対策も兼ねていたのと朝の寒さ対応のため保温インナー。汗をかくと熱をためてくれるやつですね。通気性はいい認識だったので大丈夫だろうと思ってましたが、気温が高くなりすぎでした。水をかぶっても涼しくならないのは水分を熱に転換していたのかな?完全に選択ミスだったんじゃないかと長い長い登りを自転車を押しながら考えていました。

まもなく合流地点

やっと100kmとの合流が見えてきました。この時点で3時間はとっくに経過。でも、チェックポイントはさらに先。途中でリタイアしようにも逃げる場所はどこにもありません。ひたすら進むのみ。冷や汗や脂汗こそ出ませんが、ぼーっとのぼせ上がりながら自転車を進めていきます。

並走する人が数人。黙々とクランクを回す人ともう間に合わないと嘆きながら登る人。たしかにもう間に合わない。でも、進むしかない。

あー、せめてこの景色を楽しまなければと思いますが、余裕はまったくなし。暑い。暑い。暑い。チェックポイントはまだか?と進みます。

王滝の景色

王滝42kmタイムアウト!

そして、2回目の下りがスタート。空気圧は下げました。時折100kmにエントリーした選手が横を過ぎていきます。がんばれーと応援しつつ自分も邪魔にならないようにゆっくり進みます。

不整地を抜けて舗装路が見えてくる。

炎天下の中に用意されたチェックポイントが見えてきます。

まもなくだ!みえた!

こちらにむかってスタッフの方がバッテンマークを示しています。はい、わかっております。タイムアウトですね。「ありがとうございまーす」と声をかけつつチェックポイント進入。

やっとゴールしました。

チェックポイントに到着

なんて清々しい気分なんでしょう。開放感がたまりません。やった!ゴール!ゴール!今日はもうおしまい!喉はそんなに乾いてません。ただおわったーという気持ちだけ。こんなに景色の良いところなのにね。

せっかくだからPowerBarいただきました。あまーいw

ヤムチャになったマウンテンバイク

頑張ってくれた自転車を眺めます。

うん、なんだかサイバイマンにやられたヤムチャみたいだ。おつかれさま。自転車は悪くない。自分が悪いね!

ひとりスタート地点へ

スタッフの方に計測タグを回収されたら、松原スポーツ公園まで自走して戻り、リタイア報告を行います。

だーれもいないコースをひとりで走ります。ひょっとして20kmのコースなのかな?ところどころにコース案内が見えます。

やっと景色を見る余裕もでてきました。ゆるやかに下りの不整地を抜け、さらには朝方登ってきた一般道を抜けて走ります。途中、滝越地区のキャンプ場に宿泊した方でしょうか?42kmコースのゼッケンをつけたバイクが何台も登ってきます。いい顔してるなー。お疲れ様でしたーと言葉を交わしてすれ違います。

不思議と悔しいとかそういう気持ちがありません。

やることはやったので、歯が立たなかったーwって感じですね。

ほんとどうしましょう。何もできなかったのでリベンジするべきかすら迷います。でも、全体のフローとかいろいろなものが理解できたので、次は大丈夫なはず。反省すべき点はいろいろと見えているように思うのです。

一応、段取りをディスカバリーなのかなーw

Strava: SDAOtaki42km 2017May

翌2018年は20kmに挑戦。リベンジは2019年に達成しました!

SDA王滝クロスマウンテンバイク20km(2018)を無事に完走しました

SDA王滝クロスマウンテンバイク42km(2019)を完走するまでのお話