山田覚書

105、Ultegraにコンポを交換したい

Posted on Sat 11 May 2019 ( 2020-03-29 update ) in bike

コンポのアップグレード計画

ロードバイクでもマウンテンバイクでも、ひとたび自転車を手に入れて、その楽しさを知ってしまったらさらなるアップグレードをしたくなるのは自然なことでしょう。走行性能に大きく寄与するのはまずホイールだと思うので予算が許す限りのいいホイールを購入しましょう。完成車についてくるホイールからの乗り換えで走りが劇的に変化するはず。ますます自転車で出かけたくなるはず。

そして、自転車の楽しみを知ると少しずつ「こうならないか?」という好みが出てきます。そこで次に検討するのがコンポーネントのアップグレード。

このパーツはいくらだろう?自分の自転車に取り付けた人はいないだろうか?効果はあったのか?なんてことを毎日のようにインターネットで検索をしているはず。限られた予算でどうにかしたいと考えても堂々巡りだったりして、結論はそう簡単にはでません。でも、そんな時間は結構楽しかったりするものです。

SORAから上級コンポに交換

あなたの自転車が3500やR3000のSORAで組まれていたのなら新しい自転車を購入することをお勧めします。

9速のSORAがついている自転車はおおむねアルミニウム製のフレームでエントリークラスと呼ばれる入門用であることが多いと想像できます。コンポーネントをアップグレードするとなると組みつけられているパーツを全て交換して11速や12速にすることになります。

予算は5万円から10万円ほど。それだけの投資に見合ったフレームかというとそうでないことの方が多いでしょう。ならば買い足してセカンドバイクにした方が無駄がないでしょう。

気楽に乗れる自転車が一台あれば街乗りに転用したり、買い足した自転車からの取り外したパーツを転用する方が効率的です。

Tiagraからアップグレード

乗っている自転車が4600や4700のTiagraで組み立てされていたら、ちょっと悩ましいことになります。

ギアとしては10速は必要十分。レースで頑張るという方でなければ11速や12速なんて必要ありません。軽量化のメリットがありますが、消耗した部品は高くなりますのでデメリットもある。

そして2019年。TiagraはR4000にフルモデルチェンジとならずに油圧ディスクブレーキに対応したシフターが追加登場のみとなりました。

4600から部分アップグレードの場合、同じ10速の4700と互換性がないため全て交換せざるをえず、価格メリットを考えたら4700への全交換は現実的ではない。

4700からは11速化するしか選択肢がないためシフターやディレーラーなどドライブトレインの全交換。

つまりTiagraからTiagraではメリットがないため、105かUltegraにグループセットで交換となります。

Tiagraを採用する自転車のフレームは、エントリーグレードではあるものの、同じフレームで105やUltegraが組みつけられたものが存在するケースが多く、コンポのアップグレードに見合うフレームセットであると考えられるものの、5万円から10万円の投資をするのならやはり自転車ごと買い換えてしまう方がお得度が高くなるケースが多いでしょう。

リムブレーキからディスクブレーキに移行が予想される今ならその投資に慎重にならざるをえないのです。

TCR

電動化

機械式コンポーネントから電動式コンポーネントへの交換は憧れるところですね。将来的に上位のフレームセットへの乗り換えを見据えた上で上級グレードのコンポーネントを少しずつ入手するのは悪くないアップグレードプランでしょう。

最終的な目標を電動化、つまりUltegra Di2にする場合、クランクセット、カセットスプロケット、ブレーキはそのまま使え、コントロールレバー、前後ディレーラーは交換が必要になります。

現在、9速SORAや10速Tiagraを使っていても先行してクランクセットとブレーキの交換は可能となります。アップグレードの手始めとしては検討しやすいかもしれません。

さらに資金が用意できたら上位のフレームセットとあわせて残りの電動化ドライブトレインを購入すればスムーズにアップグレードが可能になるやもしれません。

ディスクブレーキ化

ロードバイクにもディスクブレーキ化の波がきています。

リムブレーキで問題ない、ディスクブレーキはドッカンブレーキで危険といった意見がありますが、時間の問題でしょう。

ひとたび油圧式のディスクブレーキを使ってしまったら後戻りできないと思います。マウンテンバイクでも、シクロクロスバイクでも、リムブレーキがいい、Vブレーキがいい、カンチブレーキがいいなんて人はもういないって言えそうになってきてますものね。

将来的に油圧式ディスクブレーキへ移行しようと考えた場合、シフターとブレーキが使えなくなります。クランクセット、フロントディレーラー、リアディレーラー、カセットは使えます。

しかし、2019年ディスクブレーキの普及と時を同じくして12速化が進みそうな気配です。すでにカンパニョーロやスラムは12速コンポーネントをリリースしています。残るはシマノだけ。2020年にあるであろうDura-Aceのモデルチェンジでは12速化必至。となるとディレーラーやカセットも使えなくなる可能性が出てきます。

クランクセットがダイレクトドライブ化して互換性がなくなる可能性もありますが、まったく互換性がないということはないでしょう。

コンポーネントのアップグレードを考える上で9速や10速からの移行が非常に悩ましいタイミングとなってしまいました。

ドロップハンドルMTB

業界ではロードバイクのブームに黄色信号と見ているようです。世界的な流行はヨーロッパを中心にロードバイクよりはマウンテンバイク、さらにはe-MTBの方が盛り上がっています。またアメリカではグラベルバイクの盛り上がりも見えてきています。

日本のように舗装道路が整備されていない国では走破性に重きをおいた自転車の方がより人気である状況です。

シマノもそんな潮流にあわせてGRXという新しいグループセットを発表しています。これまでのUltegra、105、Tiagraにまたがる形で、フロントシングルや油圧ディスクブレーキ、電動化を盛り込んだ隙間を埋めてくれるコンポーネントです。

もし持っている自転車がマウンテンバイクだったなら、ドロップハンドル化してアドベンチャーバイクっていう選択肢も出てきました。

ハンドルをドロップハンドルに換装して、シフターとリアディレーラーを導入すれば街中を走るにはちょっと大げさだったマウンテンバイクがたちまち未舗装路もどんとこいな自転車になります。行き先に合わせてタイヤを選べば自走でちょっとしたトレイルに行くことも可能になるかもしれません。

ロードレースではなく、のんびり自転車を楽しみたいという人には選択肢が広がってきたと言えるでしょう。

105やUltegraにコンポ交換

あれこれと考えれば考えるほど、あたらしい自転車に買い換えた方がお得だという答えに行き着いてしまいます。これは致し方ないかもしれません。ちょうど過渡期ですから。

ならばセカンドバイクとして今の自転車を生かすなら?

SORA採用の自転車ならばそのまま使い倒すのが一番でしょうか。気軽に乗れるというメリットを最大限にいかして、より自転車で楽しむ時間を増やせるのではないでしょうか。

Tiagra採用だったなら……、まさに我が家のTCR Advancedですが、このままがいいのかなあ。新規コンポ買ったら新車予算の半分くらいにはなりますからね。ディスクブレーキ化移行なんてことを念頭に考えるならば完成車で一式揃えた方が間違えなくお得。

そこにお金を使うならバイクパッキング用のアイテム揃えたり、自転車まわりの商品を充実させる方が楽しいのかな。

あと数年もすれば12速油圧ディスクブレーキ車も出揃ってくることでしょう。その頃に乗り換えるつもりで貯金したほうが良いのかも。

そしてTCR ADVANCEDをR7000系105で11速化に続く