山田覚書

はじめてSDA王滝に挑戦する人へのしおり

Posted on Sun 14 March 2021 ( 2021-04-16 update ) in bike

レースまでの準備も楽しむ

SDA王滝と書くことが多いですが、SDAはセルフディスカバリーアドベンチャー、冒険です。誰かに全部教えてもらった冒険はつまらないのです。しっかりと、入念に、試行錯誤しながら準備するからこそ楽しい。そこを楽しめなければただのサイクリングでしょう。

SDA王滝のコースは長野県王滝村の普段は立ち入りが制限されている林道です。道なき道だったり、けもの道を走るイベントではありません。軽トラックが通行できるような道です。四輪車の轍なのでダブルトラックと呼ばれる道ですね。ちなみに一本道ならシングルトラック。

ダブルトラックということは利用頻度は低くても地元の方にとっては生活において利用する道。断崖絶壁を越えなきゃいけないとか沢を走り抜けなきゃいけないなんてことはありません。住んでいる街にはない道というだけです。必要以上に身構える必要はないでしょう。

しかしながら、SDA王滝は自転車レースです。できるだけ早く、制限時間内に走り抜けなければいけません。

当日のトラブル対策

トラブル対策は、当日までにどれだけ手当をできるかがポイントです。つまり、事前に機材の不具合を調べる。予兆を見つける。対策する。

もっともポピュラーなトラブルはパンクでしょう。パンクの修理はどのようにしますか?

使用するタイヤがチューブドならば予備チューブの準備が必須です。その予備チューブのパッキングはどうしますか?パッケージ箱のまま?箱から取り出してむき出し?折りたたみ直してラッピング?持ち運びはサイクルジャージのポケットに入れる?サドルバッグに収納?フレームにくくりつける?

チューブレスタイヤならどうでしょう。チューブレスタイヤ用のリペアキットやシーラントの準備はどうしますか?それともパンクしたらチューブドに切り替えて対応しますか?交換用チューブの準備は?

ガレた石でタイヤが裂けた場合に備えてのタイヤブートの準備はどうでしょう?古タイヤをリサイクルしますか?

パンクといえど個々の状況に応じて、準備すべき内容はいろいろです。現地での対応をイメージしながら準備を進めましょう。

私の場合、前回の2019年のSDA王滝42kmで使用した29インチのタイヤは、ノブの高さもまだまだ残っており、次回も使えると思いましたが、確認してみたところ、走行面側に裂け目ができてパンクしていました……。シーラントで埋まる程度ですが、その裂け目は王滝を走行時にさらなるパンクリスクとなります。それなりに酷使した結果がタイヤの走行面にできた裂け目ですので、途中でパンク修理をするリスクを避けるならば新品タイヤに交換でしょう。

ホイールのリムテープもそろそろ交換時期でした。リムホールのないホイールならばもう少しいい加減な管理でもよさそうに思いますが、使用予定のフルクラム Red Passion 3はリムホールが空いているタイプのホイール。バルブ穴側のリムテープの重ねてある部分をみるとシーラントが染み込んでいるのでそろそろ張り替え時期。こちらも手配します。

ホイールの振れは大丈夫そう。ハブやベアリングまわりのグリスアップを確認し、ディスクブレーキのローターの歪みを確認。こちらも大丈夫そう。

ホイールの確認の次はフレーム。

前回はチェーンで傷だらけにしてしまったけれど、チェーンステイに廃チューブを蒔いておいたほうがいいかな。あとで錆びるもとになっても嫌だし。ついでにダウンチューブに廃タイヤでガードも作ってみるかな?

カーボンフレームならば飛石でフレームの塗装だけでなくクラックの心配もあります。対策は必要でしょう。その点、クロモリフレームは気楽でいいかも傷がついても気にしない。

ドライブトレインまわりは、チェーンリングやスプロケットの確認。さすがに使用頻度を考えると磨耗しているということはない。そのままでもいいでしょう。今回もディレーラーなしだけどフロントダブルでいこうと思うのでチェーンリングをフロントシングルからフロントダブルに交換しておく。チェーンは街乗りにも使っているので伸びているようなら交換しておこう。

チェーンカッターとチェーンをつなぐリンクは当日のトラブル対策に手持ち在庫の確認。なければ手配。

ブレーキは日々確認しているけれど、そろそろレジンパッドが交換時期が近づいています。走行距離を考えたら新品にしておこうかな。いっそメタルのパッドにしようか?あわせてケーブル、ワイヤーの類はも動作確認。途中で切れたりしたら目も当てられない。

ハンドルやステムも街乗りアップライズなものからクロスカントリー仕様に入れ替えて、不要なパーツを外して軽量化も果たしておきましょう。駆動系の他にもヘッドパーツの清掃やグリスアップは大丈夫そうかな。

フォークのサスペンションの動作確認は自転車屋さんによくアドバイスをもらいつつやりましょう。素人レベルでできる範囲も限界がありますから、正しい知識を持った人と一緒に、次から自分でもできるつもりで教えてもらう。

サスペンションのサグの調整は必要ですね。調整にあたり、住んでいる場所と王滝村の標高が違うことに注意しましょう。空気圧が変わるので普段のままで乗ったらカチカチだったなんてことがなくもありません。サスペンションポンプも使いこなせるようにしましょう。

装備と携行品

マウンテンバイクの構成パーツの確認が終わったら、装備と携行品について確認です。

まずは補給。やっぱりセール品を買っておきたいので、はやめに検討しておきましょう。

わたしはアミノバイタルを概ね選んでいます。過去のSDA王滝のレース、20kmや42kmならこれだけで大丈夫でした。スポーツ羊羹までは要らなかったかな。でも、今度は100kmだ!いつものアミノバイタル以外にも準備が必要でしょう。コースマップを眺めて踏ん張りどころの直前に補給を入れるようにしたい。

それと、トップチューブ上のバッグに収納するのが一番楽チンだと思うけれど、補給した後のゴミを入れる場所を用意したい。バッグに押し込んだり、ジャージに入れたりと毎度適当なので今回こそ考えておきましょう。

飲み物は何がいいだろう?

BCAAは確かに大事というか、ビタミン不足はやっぱり筋肉へのダメージが大きいので対策がしたい。途中で足がつらないようにもしないと。となるとダブルボトルよりもハイドレーションとボトルの組み合わせのがいいかもしれない。距離が伸びた分をどうするか。ここはとても悩ましいので要検討です。

リペア用品と補給用品の持ち運びはどうしましょう。

背負いますか?転倒時には背中を守ってくれるからいいけれど、重いのは嫌ですね。ハイドレーションを採用するならボトルケージを取っ払ってフレームバッグにいろいろ詰め込んだほうがシンプルかも。ちょっと試走しつつ検討してみましょう。

救急用品もあるからフレームバッグがいいかな……。でも重量増は嫌だな……。悩ましい。

あとは雨王滝の対策。

陽が出ると気温が30度近いこともあるし、雨が降れば10度以下が当たり前。サイクルジャージのインナーを当日の天気にあわせて暑いと寒いの両対応できるように準備しつつ、雨具を支度しましょう。暴風手前ならモンベルのストリームパーカでいいけど、そこまでの天候ならDNSかな……。とにかく冷える。低体温は怖い。

ある程度のイメージを固めたら、コース確認をしながら検討しましょう。

コースとペース配分

SDA王滝100kmこれまでに通ったことのあるルートもあるけど未知のルートもある。

出だしは2019年の20km/42kmでも通ったルートの逆方向。うん、全然覚えてない。でもガレガレって感じでもなかったかな。ならばじっくり登ればなんとかなるはず。ひとつ目のチェックポイントまでは30km。グッと登って、ピークふたつの後にくだって登り直し。くだりの前に補給したいな。

その次は第1チェックポイントでいいだろう。で、次の上りの前にもう一度。これは距離を目安に補給かな。で、第2関門と第3関門で補給でいいはず。いや足りないかな。もうちょっとこまめに補給かな。オーバーカロリーでもいいから補給増やそうかな。若々しい肉体というわけじゃないし無理してオールアウトしたらもうだめだろうし。

コースの予想通過時間を組み立ててみましょう。過去の大会リザルトにはチェックポイイントの通過時間があるので、このタイムをもとに必要時間やペースを組み立ててみましょう。

はやめに自転車を仕上げて準備を進めておきましょう。