山田覚書

はじめてのロードバイクを選ぶなら 2018年版

Posted on Fri 03 August 2018 ( 2020-09-17 update ) in bike

ロードバイクを趣味にして購入後2年で考えること

細いタイヤにドロップハンドルの自転車が増えてきましたね。大流行とまではいかずともスポーツ自転車の愛好家は確実に増えているようです。健康的なイメージから世代を問わず、ロードバイクをはじめてみようかなという人は後を絶ちません。

はじめての自転車選びや購入に必要な予算など、これからロードバイクに乗ってみようという方の参考になるように振り返ってみます。

ロードバイクを趣味にするには……。

ロードバイクを買わないといけませんね。

はじめてのロードバイクのお値段ですが、8万円から15万円くらいでしょうか。世界最大手の自転車メーカーGIANTの初心者向け・入門者向けのアルミ製ロードバイクで税別80,000円。イタリアやアメリカのブランドでも似たようなお値段が最低価格ですね。これにヘルメットにサイクリングウェア、グローブなどで3万円くらいはあっという間ですね。

さらにサイクリング中の補給に使うボトルやパンク修理のための工具やそれを入れるカバン。自転車以外に5万円くらいはあっという間ですね。

身近な乗り物である自転車に10万円以上のお金をかけるとなると「高い!」と思えるかもしれませんが、スポーツと捉えれば平均的な金額ですね。スキーやスノーボード、ゴルフやサーフィンだって、道具を揃えていたら、そのくらいはあっという間です。

自転車を買ってしまえば、あとは乗るだけですが、タイヤやチェーンオイルなどの消耗品の費用が若干かかります。それと、クルマやオートバイのようにガソリン代はかかりませんが、「燃料代」はそこそこかかります。エンジンである自分自身の身体に栄養補給が必要ですものね。

金銭的にはこんなものでしょうか。よりよい機材を求めるならばもちろん高額なものがあります。でも、はじめるだけならこれくらい。

仮にロードバイクを趣味にするのに15万円ほどのお金がかかったとして、5年間続ければ年間3万円。月々2,500円の趣味です。スポーツジムに行くよりもお安いですね。以外とリーズナブル。

はじめてのロードバイク

ティーンネージャーのころからスポーツ自転車にずっと乗ってきましたが、最近になってロードバイクデビューしてみて感じること。

やっぱり機材を充実させたくなりますね。

もっといいフレーム、もっといいホイール、もっといいコンポーネントみたいな感じで、あれもこれも欲しくなります。

社会人、しかもいい歳になってしまうとトレーニングで身体能力を高めるといっても限界があります。お金で解決できるものならなんとかしたいと思うのは必然と言えるかもしれません。

まず欲しくなるのは、ホイールです。標準のホイールは「鉄下駄」って呼んで、とても重いものらしい。もっと軽いホイールに交換すれば、スイスイと楽に走れるらしい。たしかにホイールの交換は劇的です。まるで違う乗り物になったかのように変化しますのでおすすめです。

そして、欲はとどまるところを知りません。

さらに上級コンポに交換すると変速がスムーズになって、軽量化もされるみたい。カタチだってかっこいい。なにより、初心者向けのコンポを使っていたら恥ずかしいかも。

あれこれと計画を立てていく頃には、ゆうに新しい自転車が買えるくらいの予算をかけていることでしょう。

ホイールやコンポーネント、さらにはハンドルやサドル、バッグなどを交換していく頃には、購入した自転車の特徴がなんとなくでもわかるようになります。もう少し振動を吸収してくれるといいなとか、もっとキビキビ走らせてみたいとか。そうなる頃には新しい自転車が欲しくなります。買い替えか買い増しか。おそらくその頃には自転車に対する蘊蓄のひとつもあることでしょう。

さて、ここではじめてのロードバイクを考えてみる。

カーボン製ロードバイクの魅力

カーボンバイクといえば炭素繊維を織り込んでエポキシ樹脂を固めたフレームを使用する自転車。最大の特徴は軽量でありながら強靭。

ただし、カーボン素材の扱い方によって特徴は変化し、非常に硬く剛性の高い自転車もあれば、路面の振動をしなやかに吸収してくれるような自転車もある。

エントリークラスのロードバイクは、15万円から30万円くらいの価格帯で販売されていることが多いでしょうか。普及価格帯のコンポーネントを採用して低価格が実現されています。

カーボンバイクの中でもエンントリークラスのものは、柔らかいものが多いとされます。この柔らかさは走行時に発生する振動を吸収することに適しているとされ、乗り手の力をしなやかに推進力に変えることでサイクリングにも最適と表現されることが多いようです。

エンデュランス(持久系・耐久系)向けのロードバイクに分類されることも多く、乗り心地のよい自転車が多いなんていうとそれっぽいですね。

もう少し単純な表現にするとロードバイクに乗った経験の少ないライダーが乗りやすいように工夫されている自転車です。優しい乗り心地がロングライドやブルベにも適しているとも。そのため、中上級者からは、ペダルを踏み込んでも反応が鈍い。踏み込んで力が逃げている気がする。なんて評価になることがあります。

ミドルクラスといえば、価格帯30万円以上というくくりのカーボン製ロードバイク。明確にこういう仕様だとミドルクラスといったものはありません。エントリークラスに比べて剛性の高いモデルが多くなります。剛性が高くなるとペダルを踏み込んだ時の反応がよく、素早いコントロールを必要とする競技に向きます。

また、体重が重めの人、パワーのある人はこのクラスの自転車を選べると楽しいですよね。エントリークラスでは物足りなくなってしまうかも。予算に余裕があるという方は迷わずこのクラスを買うべきでしょう。

アルミ製ロードバイクの汎用性

ツール・ド・フランスに代表されるようなロードレースはカーボンバイクが主流となりました。では、アルミ製ロードバイクが劣るかといえばそんなことはなく。ホビーライダーには必要十分な性能を持っています。

おそらく、最安値のロードバイクを探すならアルミ製でしょう。

頑丈で高い耐久性を持ち、ローコストなコンポーネントで手頃な価格を実現。とにかくロードバイクに乗りたいならアルミバイクでしょう。ロードバイク初心者を脱して買い替えたとしてもアルミバイクを街乗り自転車に転用してもいいですね。セカンドバイクとしても優秀。

カーボンキラーなんて謳い文句で、ミドルクラスの価格ながらハイエンドな性能をというのがいまどきのアルミ製ハイエンドバイク。

軽量さをいかしてヒルクライムに使ったり、素早い反応を生かしてクリテリウムに出場したり、エントリーグレードのカーボンバイクに乗るよりもアルミバイクをスポーティに楽しむという選択肢もあり。

実はロードバイクじゃなくてもいいのでは?

カーボン製ロードバイクは尖ったものにぶつけてしまうと破損の恐れがある。アルミ製ロードバイクは振動吸収をあまりしなくて乗っていて疲れる。言い出したらキリがないけれど買わない理由はそれなりにあります。

ロードバイクを選ぶなら、カーボン製とアルミ製のどちらかで選ぶというのは9割の方には適切なはず。ひょっとしたらそれ以上かも。

でも、そのほかの選択肢は?という点をちょっと考えてみる。

アルミ製自転車が普及する前は、クロモリで作られた自転車が主流。クロモリはクロムモリブデン鋼のことで、簡単に言ってしまえばスチール製の自転車。

ひとむかし前の素材だけあって、重くて錆びることが弱点と言われるけれど、独特の振動吸収性能やしなりを愛好する人はまだまだいる。はじめての自転車としては安価な製品が少なくなっているのであまり選ばれなくなってきたかも。

ロードバイクが流行る前にみんな乗ってたマウンテンバイク。太めのタイヤが街中でとっても便利なので、キッズ自転車はマウンテンバイクしかないのかというくらいにメジャー。入門機なら5万円くらいから販売されていて、街乗りからちょっとしたサイクリングをするだけなら十二分。ただし長い距離を楽に走るとなるとロードバイクにはかなわない。

姿かたちはロードバイクと同じだけれども、ロードバイクよりちょっと太くてボコボコと滑り止めが付いているタイヤが特徴のシクロクロスバイク。

シクロクロスは自転車の障害物競走用の自転車。斜面を登ったりくだったり、泥や階段を自転車を担いで通ったりする競技用の自転車。ロードバイクよりも不整地を走ることを得意としていて、より素早いハンドル操作がしやすいようになっています。

はじめてのロードバイクにシクロクロスバイクを選ぶのは悪くないと思います。ディスクブレーキを装備して雨の日も安心。太めのタイヤなら街中の段差もらくらく乗り越え。進んだり停まったりもロードバイクに比べて得意です。

ロードバイクとマウンテンバイクの良いところをうまく取り入れているので、汎用性はピカイチ。もっと競技やロングライドを楽しみたければロードバイクを、オフロードに行ってみたければマウンテンバイクをと、今後の自転車選びのスタート地点に最適でしょう。

自転車を置く場所が限られているからコンパクトなものが欲しいならミニベロが候補になってきます。フレームの大きさはそれほど変わりませんが、タイヤのサイズが随分と小さくなります。

ミニベロは小回りがきくので街乗りは大得意。買い物やチョイ乗りにも最適。タイヤが小さい分、漕ぐのをやめてしまうとスピード維持がちょっと苦手なので、遠くまでサイクリングをしたかったらより得意な自転車があるところがポイント。

2018年現在、絶賛シェア拡大中といっていいかもしれないのが、グラベルロード。シクロクロスとロードバイクの間くらいの特徴を持っています。ロードバイクのように長い距離を楽に走ることができると同時に、未舗装路も太めのタイヤを装備して走り抜けられるように考えられています。

ただ、すでにスポーツバイク乗っている人のセカンドバイク需要を狙ったようなモデルが多いので、ちょっと価格帯が高めなのかな。そんなことないのかな。クロモリ、アルミ、カーボンと素材の種類もいろいろで、スルーアクスルとクイックリリースが混在と一番規格が入り乱れていて目利きが必要かもしれません。

はじめてのロードバイクにはシクロクロスをおすすめ

はじめてのロードバイクを選ぶなら、アルミ製のシクロクロスバイクをお勧めします。

ロードバイクじゃないじゃん!というツッコミ必死ですが、はじめてのスポーツバイク、はじめてのドロップハンドルだと思うんです。となると、ポイントはふたつ。

自転車という趣味が続かなければ自転車が無駄になります。アルミ製自転車ならばちょっと乱暴な扱いでも平気なので街乗り自転車にすることができます。自転車に乗る習慣ができるかがポイントですね。

シクロクロスバイクなら、太めのタイヤで段差や側溝の乗り越えにも余裕があります。またディスクブレーキ装備の自転車ならば雨の日でもブレーキ性能を維持しやすい。仮に自転車趣味が続かなかったとしても、普段から使える自転車として無駄がありません。

はじめてはいずれ2台目の自転車になります。サイクリングが趣味となれば、1年も経たずに2台目の自転車が欲しくなることでしょう。レースにでたい、ロングライドをしたい、ヒルクライムしたい。自分が自転車でどんなことをしたいのかがだんだんとわかってきます。その時に初めての自転車はサブ自転車になるわけですが、1台目とちょっと違う特徴の方が使い分けができていいでしょう。

街乗り自転車としてドンドン乗ってもいいですし、練習用自転車としてもよい。その点、シクロクロスバイクなら冬場のトレーニングにも最適でしょう。

はじめてのロードバイク選び

はじめにマウンテンバイクを選ぶのもおすすめですが、それだとロードバイクが欲しいという希望からはちょっと離れすぎなので、はじめはシクロクロスバイクで、好みがはっきりしたら本格的なロードバイクをお勧めします。